お知らせ



一般社団法人 高知県歯科医師会 TEL.088-824-3400 高知市丸ノ内一丁目7番45号総合あんしんセンター 2F
高知県歯科医師会館 歯科保健センター 〒780-0850 高知市丸ノ内一丁目7番45号総合あんしんセンター 1F


食育 家族みんなで考えよう
「いただきます」
「よくかんで食べんといかんぞね」
「そう言うても、朝は時間がないがやき」
「朝ごはんをちゃんと食べんと、勉強にも身が入らんぞね」
「ごちそうさま。 行ってきます!」

 「生きる」ことは「食べる」こと。あなたはお子さんに、われわれ人間が生きていくために毎日、動物や植物の命をいただいていることに感謝するよう伝えているでしょうか? お子さんは「いただきます」「ごちそうさま」をしっかり言えていますか?
 「三つ子の魂百まで」といわれるように、幼児期の食を取り巻く環境はとても大切です。ところが日本人の食環境を見ると、家族団らんが減って「孤食」が多くなり、好きな物しか食べないことによる栄養の過多や偏りといった問題が指摘されています。
 食べる意欲のない子どもも増えているようです。食べ物があふれ、いつでも食べられる状況の中で、空腹を感じないことが原因だとか。生活習慣病が大人だけでなく子どもにも多く見られるようになりました。
 今や「飽食」どころか「崩食」の時代ともいわれるわが国。健全な食生活を実践できる人間を育てる教育、すなわち「食育」の必要性が問われています。

よくかんで

 ご飯をよくかんで食べると、甘く感じられると思います。日本人の唾液(だえき)の中には、アミラーゼというデンプンを分解する消化酵素が多く含まれていて、ご飯を糖に変えてくれるのです。このことからも、日本人の主食にはご飯が適していることが分かりますね。心臓病やがんが激増し、財政的にも困ったアメリカが世界中の食文化を研究し、健康に最もよい食事と結論付けたのが、日本の伝統的な和食であることは有名な話です。

 唾液の中には抗菌作用や抗がん作用のある物質なども含まれています。よくかんで食べることで、唾液がたくさん出て口の中が自然と洗浄され、むし歯や歯周病の予防にもつながります。「唾液は魔法の水」といわれるゆえんです。

 家族や友人と楽しく会話しながらおいしく食事することは、子どもだけでなく、すべての人々にとって大きな喜びです。食の在り方についていま一度、家族みんなで考えてみてはいかがでしょうか。 条例きっかけに  食べ物をおいしく、よくかんで食べるためには、“健口”であることが大前提です。われわれ高知県歯科医師会はこれまでも、県民の皆さんの生涯を通じた健口づくりを応援してきました。「高知県歯と口の健康づくり条例」がこのほど制定されたことで、さらに充実した、きめ細やかな支援に取り組んでいきたいと考えています。