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8020運動 歯も“健康長寿”を
 とあるオープンカフェで、ティータイムを楽しむミセスたち。

 「まだまだ寒いねえ。息を吸うたらすごく歯がしみるき、この前、歯医者さんに行ってきたがよ。奥歯もちょっと動きゆうき、硬い物をかんだら痛うて痛うて…」
 「それって歯周病ながやない?」
 「先生にもそう言われた。『このままだと8020は難しいですね』やって」
 「8020?」

 8020(ハチ・マル・ニイ・マル)の正式名称は「8020運動」。既にご存じの方も多いかもしれませんが、満80歳の段階で20本以上の歯を残そうと、厚生労働省や日本歯科医師会が推進している運動のことです。1989年に愛知県で始まって以降、全国に広まりました。
 智歯(親知らず)を除く28本の歯のうち、自分の歯が少なくとも20本以上あれば、たいていの食べ物ならかみ砕くことができ、おいしく食べられますよね。会話もしやすいし、運動するときに歯を食いしばることもできます。実際、20本以上の歯を持っているお年寄りは認知症になる頻度が低く、寝たきりになることも少ないというデータがあるんですよ。
 とはいえ、10年前の調査では、80歳で20本以上の歯が残っている人は約15%、5年前の調査では約20%。年々増加してきてはいるものの、外国と比べると決して高い数字だとはいえないのが実情です。歯科疾患実態調査などによると、中高年以降、歯周病やむし歯が原因で急速に歯を失っていく傾向が見て取れます。日本は今や世界でもトップクラスの長寿国ですが、歯に関しては“長寿”ではないといえるでしょう。

 「8020を達成するためには、痛みや何か症状が出る前に、定期的に歯医者さんで歯と歯ぐきの健康状態を診てもらわなあいかんということながやねえ」
 「そうよね。私もこのティータイムが終わったら、早速歯医者さんの予約しよっと」

 この2人のような女性がもっともっと増えれば、将来、8020運動の達成率は確実に上がることでしょう。80歳になっても健康で若々しく、午後のひとときをオープンカフェで楽しく過ごす彼女たちの姿が目に浮かぶようですね。