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前歯をぶつけた 念のためまず受診を
小学生の子どもがいるお母さんのもとに、ある日、学校から電話が入りました。

 「○○さんが運動場で転んで、前歯を打ちました」
 「うちの子は大丈夫なんでしょうか?」
 「少し出血もあったようです」
 「すぐ迎えに行きます!」

 歯の外傷というと、ほとんどの場合が前歯です。交通事故で歯に外傷を受けることもありますが、よちよち歩きの子どもがテーブルの角にぶつけたとか、走っているときに転んで打ったとか、遊んでいて友だちの頭とごっつんこした…など、圧倒的に多いのはやはり乳幼児から小学生までの子どもたちだといえます。

牛乳で代用

 一口に歯の外傷といっても、その状態と対処法はさまざま。そこで今回は、子どもの前歯の外傷についてお話ししましょう。
 まず、歯に外傷を負った直後。お子さんの口を開けてみて、前歯がない場合は清潔なガーゼかハンカチでも構わないので、それを口にかませて止血するよう応急処置した後、抜け落ちた歯を落ち着いて探してください。
 歯が見つかったら、生理食塩水に浸して歯科医師のところへ持って行くのが理想的ですが、生理食塩水を常備している一般家庭はあまりないでしょうから、そんなときに代用できるのが牛乳です。砂場に落ちていたりして、 たとえその歯が汚れていても決してゴシゴシと歯を洗ったりせず、そのままの状態で生理食塩水、もしくは牛乳に歯を浸して持って行くようにしましょう。
というのも、特に発育期にあるお子さんの場合、抜けた歯を歯ぐきに再び植え込むことで、元通りかむことができるようになることもあるからです。

安心は禁物

「軽くぶつけただけだし、子どももすぐに泣きやんだから」といって、安心してしまうのは禁物。歯の外傷の場合、月日を経た後に変化が出てくる可能性も十分にあるからです。そのときは何事もなかったようにみえても、何日かたってから、 例えば神経が死んでしまって歯が変色したり、歯の根っこの部分に病巣ができていたり…というようなことは珍しくありません。
 歯を打った場合はトラブルの大小に関係なく、後々のことを考えてひとまず受診を。歯科医師から診断と今後の注意点などについてアドバイスを受けておくのが得策でしょう。その後も歯科医師の管理の下、経過観察を忘れないようにしてください。