歯と口の健康(歯並び、かみ合わせ)について教えてください。


口の健康とは、
●歯が健全である
●歯周組織が健全である
●歯並びがよい
●かみ合わせがよい
●口元の調和がよい
●顎関節機能が健全に働く
●口腔機能
(嚥下、呼吸、咀嚼、構音機能、表情の表出、分泌機能、味覚などの感覚機能)
が健全であることです。


口腔は摂食、呼吸などの基本的生命維持を司る機能から、構音器官としての発音や表情の表出などの社会生活を円滑に営む上で大切な機能を持っています。
こうした口腔の成長、発達を円滑に育成する上で、歯や歯肉の健康ばかりでなく、発育期に、歯並び、かみ合わせの健全な育成に留意することが必要です。
では日々の生活でどのようなことに気をつければよいのでしょうか? 歯並び、かみ合わせの異常は成長、発達期に発症し憎悪していくことから発達障害として捉えられています。
このことは、疾患が低年齢で発症すれば、それだけ大きなダメージが、増齢とともに結果として表出されてくるということです。
成因的には遺伝的な背景を持ちながら、発達期の様々な環境的要因が大きく影響を及ぼしていることが考えられます。 このため、家庭及び学校において、歯並び、かみ合わせの維持及び不正に対しては悪化しないように以下の点に配慮する必要があります。

1.う蝕、歯周病の予防
2.咀嚼機能の健全な発達と食環境の整備
3.口腔習癖の防止(口呼吸を含む)
4.不良姿勢の防止


医学は救命の医学、延命の医学へと発達する中で少しでも生命が生き長らえることを探求する余りに、ただ長生きすることが健康であるという幻想をいだき、寝たきり老人という日本独特な社会現象を引き起こしてしまいました。この反省から、生き長らえるだけの健康の価値ではなく、いかに健やかに生きるか、という問いかけが出てきました。健やかに生きる条件として自分の歯で噛むことの重要性がクローズアップされ、また咀嚼の持つ意義も再認識され、噛めるように維持増進していくことの重要性も同時に再認識されてきました。

つまり、一生自分の歯で食べようという目標設定の中で、歯を健全に維持するためにはその支持する組織である歯周組織を健全に維持すること、さらに歯周組織を維持するためには「よい歯並び、かみ合わせ」を維持していくことになります。